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煙の奥に、花が咲く。
竹鶴ピュアモルトは、ニッカウィスキーの創業者・竹鶴政孝の名を冠したブレンデッドモルトウィスキーだ。NHKの朝ドラ「マッサン」で主人公のモデルになった人物の名がそのままボトルになっているため、知名度は高い。ただ「名前は知っているが飲んだことがない」という人が意外と多い。グラスに注いで口に含んで最初に来る驚きは「スモーキーなのに、こんなに華やかなのか」という発見だ。
竹鶴政孝と、二つの蒸留所
竹鶴は、北海道・余市蒸留所と宮城県・宮城峡蒸留所という対照的な二つの原酒をブレンドして造られる。
余市はスコットランドの伝統的な石炭直火蒸留を採用し、ピートの煙感と力強さが個性。宮城峡は連続式蒸留機を使い、フルーティで華やかな味わいが特徴だ。竹鶴はこの「力強さ×華やかさ」の対比を一本に収めた、ニッカのブレンド技術の集大成といえる。
香り
グラスに近づくと、まず華やかでフルーティな香りが広がる。スモーキーなボトルと聞いて構えると、最初は「思ったより爽やか」と感じるかもしれない。ただし奥にはちゃんと煙が潜んでいて、しばらくするとそれが顔を出してくる。二段構えの香り、という印象。
味・余韻
口に含むと、まず煙っぽさが先行する。ところがそのまま飲み進めると、香りで感じた華やかさが後から追いかけてくる。この変化が竹鶴の一番面白いところで、「最初と最後で違うボトルを飲んでいる」ような感覚がある。
余韻は、心地よい煙感と花のような華やかさが交互に漂う。どちらかに支配されるのではなく、二つが混在したまま長く続く。
飲み方別
ストレート 変化の面白さを一番感じられる飲み方。最初の煙っぽさから後半の華やかさへの変化をそのまま味わえる。じっくり時間をかけると発見が多い。
ロック 氷がゆっくり溶けるにつれ、スモーキーさが落ち着いて花の甘さが顔を出してくる。変化のテンポが遅くなる分、一口ずつゆっくり楽しめる。大きめの氷で冷やしすぎないのがコツ。
ハイボール 炭酸で割ると煙感が軽くなり、フルーティな華やかさが前に出てくる。鼻に抜ける煙の余韻は残りつつ、全体的に軽やかな一杯になる。食事と合わせるならハイボールが一番使いやすい。
他ボトルとの比較
「スモーキーと華やかさが共存する」という個性は、ジャパニーズの中では竹鶴特有のものに近い。
まとめ
「スモーキーが好きだけど、一面的な煙には飽きた」という人に向いている。余市・宮城峡と三本並べて飲むと、ブレンドという仕事の深さが見えてくる一本だ。






