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正直バカにしていた一本。

トリスクラシックは、サントリーが造る国産ブレンデッドウィスキーだ。税込1,000円前後でコンビニやスーパーに並ぶ、日本で最も手軽に手に取れる部類のウィスキーの一つである。「安くて手軽」というイメージが先行しているが、ある夜に冷凍庫で冷やして飲んでみたら少し驚かされた。安っぽさを感じさせない不思議な甘みと、ほぼゼロに近いアルコール感。なぜ角瓶より安いのか意味がわからないと感じたほどだ。


サントリーについて

トリスクラシックはサントリーが造るブレンデッドウィスキー(複数の原酒を混ぜて造るタイプ)だ。サントリーは山崎・白州・知多の3蒸留所を持ち、1923年の山崎蒸留所創業以来、日本のウィスキー文化を牽引してきた。トリスは1946年に誕生した戦後の大衆酒。原酒の詳細は非公開だが、主に国産グレーンウィスキー(トウモロコシや小麦由来の、クセが少なく軽い酒質のウィスキー)を主体としたブレンドとされており、あの「もったりとした素直な甘み」はグレーンの軽い酒質が土台になっている。


香り

冷凍庫で冷やした状態で飲んだため、香りはほぼゼロに近い。ウィスキー特有の甘みや穀物感もほとんど拾えなかった。常温では多少変わるかもしれないが、この状態では「無臭に近い、ニュートラルなウィスキー」という印象だ。逆に、それが飲みやすさの入口になっている。


味・余韻

口に含むと、角瓶とは異なる、もったりとした丸い甘みがある。角瓶のシャープなキレとは対照的で、どこか素朴で柔らかい甘さだ。冷やしているせいかアルコールの刺激もほぼ感じない。バカにしていたが、この甘みには独自のキャラクターがある。余韻はほぼなく、飲み終わるとすっと消える。長い余韻を求める人には物足りないかもしれないが、食中酒としてはこれくらいがちょうど良い。


飲み方別

ストレート 安さを感じさせるが、嫌な感じのしない素直な甘さがある。冷やして飲むと特に良い。複雑さはないが、この価格でこれが出れば十分だと思う。

ロック 甘みがさらに和らいでマイルドになる。溶けると薄くなりやすいので、大きめの氷を使うのが良い。

ハイボール(神戸ハイボール=ウィスキーを氷なし・強炭酸で割るスタイル) これが一番の発見だった。アルコール感を拾わない、スッキリした甘さが絶妙なバランスになる。強炭酸で割ると本領発揮。食中酒として見れば、コスパ最強の選択肢だと感じた。

コークハイ ウィスキー感はほぼなくなり、もったりした甘さが前面に出る。甘い炭酸飲料に近い仕上がりで、ウィスキーらしさを求めるなら向かない。詳しくはコークハイ&ジンジャーハイへ。

ジンジャーハイ コークハイ同様、ジンジャーエールの味が主役になる。トリスの個性はほぼ消えてしまう。詳しくはコークハイ&ジンジャーハイへ。

りんご割り コーラ・ジンジャーと違い、ウィスキーの特徴をほんの少し拾いながら飲みやすくなる。甘すぎず、ウィスキー感も少し残る。初心者に一番おすすめかもしれない飲み方だ。詳しくはりんご割りへ。


他ボトルとの比較

角瓶と比べると、角瓶はシャープでウィスキーらしいキレが特徴。トリスクラシックはそのキレがなく、代わりにまったりした柔らかさがある。値段を鑑みると、ハイボール用途ならトリスのほうが好きかもしれないというのが正直なところだ。同じ価格帯のブラックニッカ ディープブレンドと比べると、複雑さと麦感はディープブレンドが上だが、スッキリとした飲み口ではトリスに分がある場面もある。


まとめ

「安ウィスキーでいいや」と思ったときの、素直な正解。ハイボール前提なら1,000円でこれが飲めるのは十分な満足度だ。ウィスキーを飲み始めた人、宅飲みを気軽に楽しみたい人、食事に合わせてスッキリ飲みたい人に向いている。


次に飲むなら