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アードベッグを開けた夜は、次のウィスキーを開けられない。余韻が長すぎて、他のウィスキーが割り込む隙がない。

ブラックラベルで「スモーキーの入口」を体験して、ダブルブラックで「もう一段」を知った。アードベッグはその延長線上にない。別格だ。


テイスティング

香り(88) グラスに近づいた瞬間、潮と煙が同時に届く。磯の香りと煙が混じった、他のウィスキーで嗅いだことのない種類の空気だ。これだけで普通のウィスキーではないとわかる。

味わい(82) 塩気とスモーキーさが口全体に広がり、しばらく動かない。アイラモルト特有の薬品系の風味もある。ハイボールにすると炭酸がこれを増幅させ、正露丸的なパンチが来る。好きか嫌いかで、このボトルへの評価は真っ二つに割れる。

余韻(94) 飲み込んだ後、煙がいつまでも消えない。5分経っても10分経っても、まだ口の中にアードベッグがいる。この余韻の長さと強さは、他のどのボトルにもない感覚だ。


ストレートとハイボールで飲む

ストレートが正直でいい。潮・煙・薬品系の三つが口の中で順番に展開される。好きな人には至高だが、スモーキーが初めての人にはきつい。

ハイボールにすると薬品系の風味が前に出る。炭酸との相性で「正露丸的な」香りが増す。これをアイラの醍醐味として楽しめるかどうかで完全に好みが分かれる。ロックの方が少し丸みが出て飲みやすい。


入口ではない、という話

ブラックラベルの「スモーキーさ」は甘みと共存している。ダブルブラックはそれを一段強めた。アードベッグは構造が違う。甘みはある。でも煙が全部持っていく。

今まで飲んだ中で一番煙かった。ダブルブラックですら入口だったと思える。余韻94点はこのブログ最高水準だが、総合80点なのは万人向けではないからだ。スモーキー好きには100点を超えるが、初めての人には今すぐ来る必要はない。ブラックラベルで慣れてから来た方がいい。


こんな人におすすめ

あなたのタイプ 選ぶなら
スモーキーを極めたい ◎(今まで飲んだ中で一番煙かった)
ブラック・ダブルブラックの次が欲しい ◎(別格の体験がここにある)
今夜はこの一本で終わりにしたい ◎(他に浮気できない強さがある)
スモーキー初体験 △(ブラックラベルから入ること)

次に飲むなら

スモーキーを安く日常使いしたいなら → ザ・ディーコンへ。¥4,200でスモーキー系の個性が手に入る。

スモーキーの入口を確認したいなら → JWダブルブラックへ。アードベッグを飲んだ後で飲むと、自分がどこにいるかがわかる。

同じアイラで別の顔を見たいなら → ボウモア 12年へ。煙と甘みが共存する、アードベッグとは対照的な飲み口がある。