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アルコールの暴力、ハイボールで成敗。
ブラックニッカ クリアは、ニッカウヰスキーが造る¥1,000前後の国産ブレンデッドウィスキーだ。コンビニやスーパーで手軽に手に取れる定番銘柄で、「黒いニッカのラベル」として見かけたことがある人も多いだろう。名前の通り「クリア」な軽さをコンセプトにしており、飲みやすさを前面に出した設計になっている。しかし実際にストレートで口に含むと、最初に感じるのはわずかな麦の甘みではなく、予想以上に強いアルコール感だ。この一本の本当の出番は、割り材と合わせたときにやってくる。
ニッカウヰスキーについて
ニッカウヰスキーは竹鶴政孝が1934年に設立したブランドで、北海道余市・宮城峡の2蒸留所を持つ。ブラックニッカ クリアはその廉価ラインとして作られており、原酒の詳細は非公開だが、軽い酒質のグレーンウィスキーを主体としたブレンドとされている。「クリア」という名の通り、クセを極力排した軽さが特徴で、割り材との相性を前提に設計されたような一本だ。
香り
グラスに近づけると、香りはほぼ感じ取れない。ウィスキー特有の甘みや穀物感もゼロに近い。トリスクラシックと同じく「無臭に近い」という印象だが、こちらはわずかにアルコールの気配が先に来る。「クリア」の名にふさわしい、ミニマルな香りだ。
味・余韻
口に含むと、最初にごくわずかな麦の甘みが届く。しかし一瞬で、それを追い越すアルコール感が広がる。甘み1:アルコール感9という比率で、後者が圧倒的に主張してくる。同価格帯のトリスクラシックと比べると、ウィスキーらしい味の方向性はこちらがわずかに上かもしれない。ただし、「ウィスキーらしさ」より「アルコール感」を先に拾ってしまうのが正直なところだ。
余韻は強いアルコール感が続く。心地よい種類ではなく、口の中が熱くなり続ける。長く楽しめる余韻ではない。
飲み方別
ストレート 口に含むとやや麦の甘みを感じられるが、その後はアルコール感一色になる。正直、ストレートで楽しむためのボトルではない。
ロック 氷が入るとアルコール感が少し抑えられる。ただし特別な個性が引き出されるわけでもなく、無難な一杯になる。
ハイボール これが正解だと思う。不思議なほどアルコール感がどこかへ消え、麦由来の淡い甘さだけが残る。ストレートとは別の飲み物に変わる。食中酒として見れば、¥1,000でこれが飲めるのは十分な満足度だ。
コークハイ 甘さが足されてジュース感が出る。ウィスキー感はほぼ消えるが、飲みやすさは最大になる。
ジンジャーハイ ジンジャーエールがアルコール感を中和してくれる。ハイボールより少しスパイシーな方向になって悪くない。
他ボトルとの比較
同じ¥1,000前後のトリスクラシックと比べると、ブラックニッカ クリアはウィスキーらしい味の方向性がわずかに上だ。ただしアルコール感もこちらが強く、トリスの「もったりした甘み」の方が全体的に飲みやすいと感じた。ハイボール用途に限れば両者に大きな差はないが、ストレートで飲むならトリスが上だと思う。同じブランドのブラックニッカ ディープブレンドとはもはや別格の差がある。
次に飲むなら
- 同価格でもっと飲みやすさを求めるなら → トリスクラシック
- 同ブランドで一段上を目指すなら → ブラックニッカ ディープブレンド
- ウィスキーらしいキレを体験したいなら → 角瓶
まとめ
ハイボール専用と割り切れば、¥1,000で十分な役割を果たす。ストレートでウィスキーを楽しみたい人には勧めないが、「割るだけの酒」として使うなら選択肢に入る。コンビニでいつでも補充できる手軽さが最大の強みだ。



